NIPCOM 第14回プラモデル展示会に参加しました

2023年7月16日(日曜)、 新潟市の朱鷺メッセで開かれたNIPCOM第14回プラモデル展示会に出品参加しました。

去年、久しぶりに参加してとても楽しかったことから、今年も迷うことなく決心。

ご存じのようにNIPCOMはガンプラを中心とするキャラクターメカが9割ってイメージで、スケールモデラーは数えるほどですが、 逆に自分の知らないジャンルの作品から受ける刺激も大きく、私にとっても大切な展示会になりつつあります。

と言いながら今回はガンプラ方面の紹介はありません。そちらは色んな人がたくさんの情報を上げていますので。

 

会場全景。

ミニ静岡みたい。

262名の参加者中、新潟県勢は112名。

完全に全国区のイベントですね。

(あれ?スライドが ”第13回”になってるけど、これはミスでしょうね)

最年長69歳※は私のこと。

※去年は”最高齢”だったけど、誰かのつぶやきが届いたみたい(笑

このままでは来年も記録更新になりそうです。誰か私より年齢の高い人が参加しないかな。

カーモデル卓。

他のブースにもカーモデルを見つけることはできましたが、車メインの参加者は4人でした。

take_bb4さん。

自分の好きな車を作るためにホイールを3Dプリントで作ったり、デカールの自作も厭わない剛の者。

こちらのデカールの作り方もお聞きしましたが、手間とお金がかかっていることにびっくり。

だからこそ、この仕上がりになるんでしょうね。

昨年のNIPCOMで知り合い、その後何度も展示会でご一緒しているSho_taroさん。

今回も決められたスペースの中でできる最高の展示を見せてくれました。

全体台座を用意し、後ろの作品は一段高くしています。

作品自体ももちろん最高級。

ヘルメットの仕上げも丁寧だなあと思います。ここ、大事なんですよね。

ファクトリーYOSHIDAさん、

撮り鉄だけでなく撮りバスも趣味だそうで、新潟交通の様々なバリエーションを見事に再現しています。

ベースキットを改造し、ラッピングやロゴデカールも自作するわけですが、その話を聞く度に口あんぐり。

私の展示。

NIPCOMにカーモデル目当てで来る人は少ないだろうと思い、子供さんや女性にも喜んでもらえそうなネタを揃えました。

また一部旧作も混ぜています。

ムービングベルトは安定の人気。通りかかる子供さんの大半はここで足が止まります。

何度も展示会に出していて私もそろそろ飽きてきたんですが、喜ぶ人が多いものですからなかなか引退はさせられません。

モーターライズマトラも結構活躍してくれました。

新作は1/43のタイレルでしたが、ついでに持っていたフルスクラッチタイレルの方が人気だったのが喜んでいいやら悲しんでいいやら。

多くのパターンは、

「あ、タミヤのタイレルだ」→「でも違和感あるな」→「え?フルスクラッチ!」「え?50年近く前!」

でした。

あちこち痛んでいますが、まさか今になって活躍するとは。

旧作のセリカLB、活躍した時代がちょうどピンクレディーが人気だった頃とラップしていることからこんな展示をしましたが、その意図はあんまり伝わらな かったみたい。

(立てかけてあるシングルCDの衣装も、青と赤になっていてセリカとかぶっているんですが、気づいた人ゼロ)

こちらは地元の凄腕三人衆、「ケイン」「ポカモト」「チーピン」さんの共同展示卓。

私にはなんかすごく居心地がいい作品が並んでいます。

ポカモトさんがAFVを作るとこんな感じ。

見事としか言いようがない。

そして彼がテキーラガンナーを作るとこうなる。

実際にこのマシンが運用されていたらどうなっているだろうとの妄想を実現したもの。

履帯やチェーンなどが追加されていますが、これらも妄想によるもの。

右の赤いソファは市井からの分捕り品って設定。

ならず者集団って設定なんだそうです。

お仲間のケインさん。

ポカモトさんがそう来るなら俺はってことで、左右のデッキに乗降する仕組みを自分なりに考えたそうです。

実際のアニメの設定ではそこまで考えていないんでしょうね。

そこを自由に発想して立体化してしまう。ここがプラモづくりの楽しさですね。

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(チーピンさんの作品はこれまでも何度か紹介しているので省略させていただきました)

こちらは空冷四発さん。

なかなか見たことのない、でもリアルなシチュエーションが新鮮です。

植物再現に対するこだわりもすごいです。

車両の出来も素晴らしいですが、タミヤのプラ棒などを使った車両基地もリアル。
ここからは企画展示。

「スーパー・ササダンゴ・マシン プラモデル大集合」

と題した、坂井精機製の1/12スケールプラモを使った作品展示です。

スーパー・ササダンゴ・マシン ・・・、新潟県人でないと知らない人も多いかもしれません。

説明が難しいんですが、本名を坂井良宏さんと言いまして、

・プロレスラー(マッスル坂井)
・会社社長(坂井精機)
・タレント
・ラジオパーソナリィティ
・映像作家

などいくつもの顔を持っている人で、こっちに住んでいるとテレビでもよく見かけます。

で、このプラモは本業の金型製作会社で本人を商品化したもの。

これをベースに自由に表現してねってことです。

色んな作品が並びました。
この色紙が置いてある作品は、2か月ほど前に行われたホビーロードプラモデルコンテストに出品されたものです。
素材を与えられた時に自分なら何を作るか・・・、自由であるからこそ難しく、見る者 を喜ばせる作品を作るのは容易ではありません。

多くの作品は自分のやりたい世界にプラモを引きずり込むか、プロレスラーとしてのキャラクターを膨らませるかだったような気がします。

逆にこれなどは異色。

なぜ河童、なぜじゅんさい池かと思い調べてみると、新潟市東区のじゅんさい池は坂井良宏さんが生まれた場所の近くで河童が出るので有名(?)、コスチュームの緑も実は笹団子ではなく河童なんですって。

模型を作る時に対象をどこまで知るか、どれだけ好きになるかは大事ですが、この作品はそれを教えてくれたような気がしました。

と言いながら私が一番おお!と思ったのはやっぱりこれ。

言われなくても「さすけ」さんの作品。

可動式フィギュアの関節を埋めてあること、担ぎ上げられているウルトラマンのポーズなど、誉めるところを探したらキリがありません。

案の定、こうなりました。

スーパー・ササダンゴ・マシンご本人も、

「ウルトラマンと戦うという私の夢をかなえてくれてありがとう」

みたいなことを言っていました。

なるほど!! って思いました。

 
あとがき
守破離(しゅはり)という言葉があります。茶道や武道などの芸道・芸術の修業における過程を示したものです。

守 師匠の教えに従って修業・鍛錬を積みその型を身につける段階

破 師匠の型はもちろん他流派の型なども研究し、既存の型を「破る」ことができるようになる段階

離 さらに鍛錬・修業を重ね、既存の型に囚われることなく自在となる境地。
(「離」は「型破り」とも言える。一方基本や型を会得せず、「守」と「破」を経ずにいきなり個性や独創性を求めるのは「形無し」)

今回たくさんの作品、特にガンダム方面を見ての感想ですが、その多くは雑誌ライターなどが作る素晴らしい作品にあこがれ、自分もそれに近づきたいと願っているような気がしました。
いわゆる「守」ですが、それらはどうしても似た感じ、あるいは「高名な○○さん」っぽい作風になる。レベル自体は高いんですけど、名前を隠して作品を見せられた時に作者を言い当てるのは難しいでしょう。

 「破」の段階、あるいは「離」の段階だと感じる作品ももちろんあります。基本がしっかりしていて、なおかつ個性が出ているので見ただけで作者も当てられます。そういう作品は見ていて嬉しいですし、居心地がいいです。

私ですが、模型歴は長いものの模型雑誌はほとんど買ったことはないし、仲間もあまりいないまま好きなように作っていました。「師匠」といえる存在が思いつかない私は「形無し」なんです。
だから20年以上前にホームページを開いた時は世の中のレベルの高さに愕然とし、改めて「守」から学び直した感覚です。でも正しい修行をした若い人たちのスキルにはもう及ばないなと感じています。

逆に何物にも囚われず、好きなものを好きなように作ることを厭わない怖いもの知らず感覚は強みかもしれませんが・・・。

このあたりの話は語ると長くなるのでもう止めますが、もっとシンプルに考えれば結局のところ私が尊敬するモデラーは「モチベーションを失わず、作り続けている人」です。 上手下手とか守破離なんかはその次の話。

作り続けている人はたくさんいますが、その長さで言えば参加者最年長の私は最強です。誰かかかってらっしゃい(そこかよ)。