第27回 モデラーズクラブ合同作品展報告

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2016年5月14、15日(土、日)、ツインメッセ静岡にて開かれた第27回モデラーズクラブ合同作品展に、「車談呆人 カー模deリング GARAGE24」、及び「伝説のカーモデルコンテスト同窓会連盟」のメンバーとして作品を展示しました。

右の写真は初日夕方の交流会の様子。参加20年のサークル表彰もありました。

ちなみに私の所属する「車談呆人 カー模deリング GARAGE24」は今年で11年目。これからも気張らずに長く続け、10年後は代表の「さかもっちゃん」がステージに立つ姿を見たいものです。

 
 

最初に紹介するのは「マルカイ自動車模型製作所」のブースにあった、いわゆる族車群。

私、実は族車が好きでして・・。改造の自由度や大胆なカラーリングが、模型的に見てとても魅力的だからです。

 

 

基本的に改造が必要となる族車ですが、このサークルの作品はどれも仕上げが素晴らしく、感激しました。

 

こちらは制作中のもの。これだけ見ても尋常ではない工作技術をお持ちなことがわかります。

 

スケールワークスさんには二台の1/12「ポルシェ917LH」が。こちらは「モデルファクトリーヒロ」のキットを改造したもの。
 

そしてこちらがイタリア「ABC」のレジンキットを改造したものです。ボディー裏側のグラスファイバー表現がリアルですねえ。
 

スケールワークスさんの作品、まだ続きます。
 

こちらは何とラジコン用デカールを使ってクリアーで封印したもの。去年私が持って来たクレマーK2に触発されたから・・とおっしゃってました。
凄くうれしい。
 

こちらは「ホビーデザイントランスキット」使用の「RWBポルシェ964」。美しく作るってこういうことなんですね。
 

タミヤの「マクラーレンM23」。やっぱりこういう時代のF1は素敵です。

以上、毎年定点観測しているスケールワークスさんでした。


 

マルボロカラーが集まったこちらの展示 (「ホビーライフ」さん)。

 

 

どれも皆素晴らしいんですが、意外性ってことで「mutti」さんのスープラを。
 

こちらはプリメーラのノーマル戻し。私も昔やったことがあるので見入ってしまします。
 

素晴らしいのはエンジンも再現していること。来年完成品が見られるのかな・・・。
 

1/12の新作があると思わず引き寄せられてしまいます。こちらはおなじみ「ヒロシ」さんの「BMW 3.0 CSL」。あちこち素晴らしいんですけど、ストライプの美しさには参りました。
 

何とか間に合った? 「えり庵」さんの「ワーゲンビートルホットロッド」。ラッピング塗装と艶消しボディーがいい味出してます。
 

ここで車以外の作品を。「タカマツニッパーズ」のブースにあった赤城とゼロ。1/32です。
 

各々は別の方が作っていますが、全員の技量が高いので見ごたえがありました。
 

「ネコでも作れるプラモデル」の「マサキ」さんも所属する「サンニイ情景友の会」には長居させていただきました。
 

こちらは「炭屋さん冬じたく」と題された作品。製作者さんの以前のご実家を、残されていた写真や記憶で再現したものだそうです。

このような燃料店は昭和30年あたりまでは練炭・豆炭などを売っていましたが、車に乗る人が増えてゆくと、ガソリンも販売するようになります。
 

この作品が昭和のいつの年代を再現しているのか検証してみます。

まず写っている商品ですが、上がラッパ状に広がっているのが木炭用コンロ(いわゆる七輪)、ストレートな筒型のものが練炭コンロ(上つけコンロ)です。両者とも一般家庭で煮炊きに使われていました。

七輪は魚などを焼くとガスよりずっと美味いです。

一方練炭コンロは主に鍋物や炒め物に使われていました。練炭は石炭を粉末にして固めたものなので、魚を焼くと独特のニオイが移るからです。

品川燃料(シナネン)が上つけ練炭コンロ(当時としては画期的な製品)を発売したのは昭和29年ですから、この作品の年代はそれ以降となります。

下の方に桜工業のさくら石油コンロがあります。

木炭/練炭コンロは灰の処理などが面倒なため、昭和20年代後半に灯油を燃料とする石油コンロが発売されるとまたたく間に一般家庭にも普及し始めます。その最盛期は昭和35年前後で、参入メーカーも200社を超えたと言われています。

しかしそのすぐ後、さらに使い勝手が良いプロパンガスコンロが普及し始めると石油コンロはとたんに売れなくなり、メーカーのほとんどは倒産・廃業したと言われています。桜工業も同様な運命だったのではないでしょうか。

ちなみに当時石油コンロを作っていて現在も活躍している会社ですが、調べた範囲では林内製作所(現リンナイ)、内田製作所(現コロナ)、豊臣工業(現トヨトミ)、東陽技研工業(現ダイニチ)などがあります。

 

ぐるっと回して裏も見せていただきました。
 

 

白黒テレビに映っている番組は、NHKの「チロリン村とくるみの木」のようです。放送は昭和31年から39年まで。私も見ていました。

となるとこの作品の年代は昭和31年から35年前後となるようです。

・・・あ、プロパンガスボンベが。

 

同じ製作者の別の作品。
 

素晴らしいですねえ。
 

「大怪獣バラン」のポスターがありますね。こちらは昭和33年で決まりです。
 

「まさき」さんの作品はジオラマのお手本のよう。老若男女問わず万人が「いいな」と感じるんじゃないでしょうか。
 

こちらも「まさき」さん。荷台に乗っている「ミニエクスカベーター」はフジミのキットですが、クレーンはジャンクを使った自作だそうです。
 

湘南さんのブースは素晴らしい作品が多すぎて、どれを撮影していいかわからないほどですが、今回は「かっぱコーヂ」さんの「ポルシェ917K」を。
 

フル開閉をやる人は多いですが、ここまで隙間なくぴたっと作れる人は多くないと思う。
 

「スケールモータースポーツフェア」さんのブースで・・・。
 

どう書いたら良いかわからないほど素晴らしいです。
 

「箱入り模型」の「SOF」さんの作品は特に塗装が素晴らしいと感じました。
 

どのような塗料を使うとどんな効果が出るかを研究し、最大限の効果を出している・・・そんな印象です。とにかく美しいです。
 

「1/24 MOTORING」のブースで見つけた作品。どうやらタミヤをベースにアオシマのパーツを組み合わせているようです。しかもエンジンをV8に換装しています。こういうの作りたいですね。
 

「プロジェクトF」にあった「模型転倒虫」さんの作品。

「模型転倒虫」さんはサイトを開設して3年半ですが、作るたびに作品のレベルが上がっていくのがはっきりとわかります。この最新作もいくつか新しいことにチャレンジしていて、その効果はしっかり出ていますね。
 

こちらも最新作。「人馬一体」を入れたり、スタンドやプレートもちゃんと作るなど、演出にも手を抜かないところもいいですねえ。

 
 
 伝説のカーモデルコンテスト同窓会連盟

私もメンバーの「伝説のカーモデルコンテスト同窓会連盟」。平均年齢はおそらく60歳越え。経験だけは豊富ですが、みんなヒーヒー言いながら模型作ってます。
 

まずは「世田谷模型車庫」さんの「シャパラル作品群」。多くはキットをベースに仕立てたものですが・・・。
 

例えばこの「2A」は何とフルスクラッチ。どうやって作ったのかと聞くと「ああやってこうやって」と教えていただけるのですが、それを聞いてもやっぱり良くわからない。
 

中もこうなってます。いったいどうなっているのでしょうか。
 

こちらも「世田谷模型車庫」さんの「サニーエクセレント1400」。1973年の日本グランプリで高橋国光が乗った車です。私は詳しくなかったのですが、この作品を見て「おお!」と喜んでいる人が何人かいらっしゃいました。
 

今回ゲストとして展示させていただいた「ploverbell」さんの「BRE510」。
「ploverbell」さんのことは以前から存じ上げていましたし作品も見ていますが、その作り込みのあまりのすごさに絶句するだけでした。
今回お近づきになれて本当に良かったです。
 

 

ここまでやる人は普通いませんよね。
 

ちなみにこの作品、ご友人が旧車レース用に組み立てている実車の情報を逐次提供してもらいながら作っているそうで、パイプやコードなども実車と同じように繋がっているそうです。
 

私の柳田レプリカ240Z。多くの方々に足を止めていただいてありがたかったです。1/12は作るのも大変ですけど、頑張った甲斐がありました。
 

FさんのウィリアムズFW14Bルノー。Fさんはこの他にも1/12のF1や1/6のバイクを多数持ち込みましたが、どれも細かいところまで手が入っていて素晴らしかったです。
 

YさんのDD51。キットを完成させるだけでも大変なのに、ディオラマにしてしまうなんて。
 

グループの最長老、Kさんの作品群。私が第一回のコンテストに入選した時にやはりマトラで入選されています。
 

私より一回り以上年上で、車種選択も渋いものが多いですねえ。
 

こちらはコンテストの思い出コーナー。左半分には40年以上の風雪を耐えた当時の入選作が並んでいます。
 

私のカレラ10。ボロボロになっていたのを2011年にレストアしたもの。一時は捨てようかと思ったこともありましたが、こうやって皆さんの前に披露できて幸せです。
 

当時のコンテスト参加者の探索は継続中です。
 

 

この二台も入選作です。架空のマシーンですが、このように自由に改造するって、ものすごく楽しいと思いますよ。
 

YさんのサファリZ。一次審査に通ったものの、二次審査の持ち込み(郵送)で破損し審査対象外となった涙の作品ですが、その悔しさは今皆さんに見てもらうことで十分取り戻したよね?
 

コンテストの様子が載っている当時の冊子。「自分も買った」「見たことがある」とおしゃる方が結構多かったです。もちろん皆さん60代とか50代後半とかの年齢です。
 

車談呆人 カー模deリング GARAGE24

私の本拠地、「GARAGE24」のブースです。
 

今年のお題は「ガルウイング」。お題に沿った作品がどのくらい集まるかなと思ったら、20台近く揃ったのでびっくり。
 

「オペルアストラ V8 クーペ」は三台揃いました。こちらは「n-hirobe」さん。
 

「mon」さん。
 

そして「さかもっちゃん(茶菓餅)」。「GARAGE24」のメンバーは日頃制作状況を確認しあっているんですが、さかもっちゃんは二人とかぶらないよう、自作デカールなどを使ってこのバージョンにしたんですって。
 

派手だった「さかもっちゃん」の「1949 マーキュリー」。実車のドアは普通の開き方ですが、それをヒンジが後ろにあるスーサイドドアにし、さらにシザードアにするという変態ぶり。
 

エンジンもしっかり作り込んでいます。今年の「GARAGE24」の中では一番人気だったんじゃないかな。
 

「mon」さんの「キャデラック STS-V」。凄くかっこいいですねえ。
 

「kwn」さんの「マクラーレンF1-GTR BPR Zhuhai 1996 #2」。仕上がりの素晴らしさは天下一品だと思います。
 

「SHUN 1/24」さんの「トライアンンフGT6」。「PYRO(パイロ)」という会社のビンテージキットで、作るのにかなり苦労されていましたが、リアハッチをオープンにするなどした根性の逸品です。
 

北海道から参加の「マチウリ」さん。自分で3DのCGデータを作り、それをもとに「MODERA」という切削マシーンを動かして原形を作るという手法。フルスクラッチは今後このようなやり方が主流になるのかもしれませんね。
 

40年ほど前、「mon」さんが高校生の時に作った「マルイのカウンタックLP400」!
私も昔2回ほど作ったことがありますが、このキットはカーモデル史に残る傑作でしたねえ。
 

「BELKITS」の「シュコダ ファビア S2000」を作ったのは「にくきゅー」さん。何とマニアック。何と美しい。
 

去年からメンバーに加わった高校一年の「H」君。まずはアリイのカウンタックですが、このキット、ベテランモデラーでも箱を開けたとたんにそっと蓋を閉める難物として知られています。
なぜわざわざこれを選んだのかと聞いたところ「値段が安かったから」・・・。 高校生はそうじゃなくっちゃね。
 

こちらも「H」君の「ランボルギーニ ムルシエラゴ R-SV 2011 GT1 Zolder #38」
「とても組みやすかった」そうです。そりゃそうだろう、アリイのカウンタックに比べれば。
 

私のお題のテーマはもちろんシルビア。横に開いたあとに跳ね上がるという面倒なギミックを入れましたが、これを展示するとなると交通整理のお巡りさんみたいになってしまい、ちょっとおまぬけ。色が地味なこともあって、アピール度は今一つでした。
 

こちらも並べましたが、美味しいところは皆ガルウイング軍団に持っていかれた感じ。
来年のお題も決まったので、今度はもっと変なことしなきゃなんて考えています。