PYRO製  オーバーン 851 スピードスターの制作

 工作机INDEXへ 
電動士です。今回も番外編、”下宿人SHUN 1/24さん”の工作の様子を紹介させていただきます。
今年(2017年)の仲間内のお題は「ツートーンカラー」。去年の静岡展示会終了と同時に決まりました。
帰りの道中はもう脳内妄想カンピューターがフル回転。その中でやはり皆さんがあまりご存じない車種を選びたいと思っておりました。

暫く経ってヤフオクで見つけたのがこの「オーバーン スピードスター」。 「オーバーン(AUBURN)」と言うカーメーカーはあまり聞いた事がないかと思いますが、戦前アメリカにあった超高級車メーカーです。
蛇足ですが、テレビ番組「CGグラフィックTV」の冒頭に世界中のカーメーカー名がアルファベット順に細かい文字で流れ、その中に「AUBURN」が出て来る筈です。

 

(1) キットメーカーは幻の「PYRO」。
(先に製作したトライアンフGT6(↓)と同じアメリカのプラモメーカーです)

箱絵は流れるような上品なスタイルのフォルムを、派手な色使いのイラストで描かれています。 ネットで検索すると、男女のペアが乗って疾走中の別の箱絵もあるようです。

◆ トライアンフGT6 ◆
(2)早速、キットの箱を開けてパーツを手に取ってみると、ボディー後半部は左右を貼り合わせる構造で、前半部は側面、前面グリルとガルウイング状に開閉可能なボンネットに分かれています。

シャシーにはサイドステップや、ボリューム感溢れる前後のフェンダーを取り付ける構造になっています。

ボンネット内部には簡単ながらメッキされたスーパーチャジャーのエンジン関係が入ります。

シャシー裏側には前輪アクスルビーム、リーフスプリング、後輪アクスル・リーフ一体のパーツを接着する構造です。

スポークホイールはメッキパーツで外側と内側を貼り合わせます。

タイヤは少々細身のビニール製と思われるものが入っていましたが、表面がベタベタしてとても使い物にはなりそうにありませんでした。

前後のバンパーはメッキパーツ裏にW字型をしたステーを貼り合わせてボディーに接着する構造。

これらのパーツの写真は撮っていませんが、インスト書をご覧ください。

(3)ボディー後半部の左右パーツを接着し、中央の貼り合わせ部は裏から当て板を当て、エポパテ充填してガッチリ接着しました。

ボディー関係のパーツを仮組みしてみると、なんか違和感が・・・!

本来この車は別名「ボートテール」と呼ばれているように、後半部の流れるようなフォルムが全く感じられません。どうもトランク部上面高さがかなり高すぎるような感じです。

また、本来ボディー後半の裾は後面のエプロン部と一体になっている筈なのに、キットではエプロン部が後ろフェンダーと一体になっており、ボディー裾との継ぎ目が目立ちます。

(右はネットで検索した、多分キットそのままの作例写真)

(4)そこでボディーを改造する事にします。

まずはボディー後半部の高さを後端で約3mm程低くするため、カットソーで慎重に水平方向に楔状の切れ目を入れて、強引に高さを詰めました。

左右別々の後ろフェンダー/エプロン部をボディー裾に接着してボディーと一体化。

継ぎ目にはパテを塗り、逆Rになるようにしました。
(この作業が一番大変でした)

その他、側面腰上部のモールは後で入れる事として削り取り、ひたすらボディー形状修正を繰り返しました。

(5)また前フェンダーも内側にエポパテを詰めて、形状修正。

前フェンダー単体でシャシーに脱着出来るよう、プラ角材を接着して1mmビス止めとしました。

サイドステップ下端が固い感じなので内側にプラ板を当てて、下端をR取りしました。

ステップ長さも短いので後端を若干延長。

その他前後アクスルも修正して、全てシャシー下面に1mmビス止めして脱着可能にしました。

(6)ホイールはキットのものを予定していたのですが、メッキを落としてみたら、下塗りのニスがベッタリで、シンナーに漬けても全然落ちない。

思い切って実車用のペイントリムーバーに漬けてみたら、なんとプラが侵されボロボロになり、全く原型を留めない程に!!

前述のようにキットのタイヤはベトベトして酷く、使い物にはなりません。

(7)仕方なく色んな手持ちのキットを漁り、ホイールはamtのオペルGTのオプションホイールを分捕り、タイヤは別売りamtのホワイトリボンタイヤを使用。

上の写真は残ったパーツを一まとめにしたもので、メッキパーツの排気管は押出ピン跡が酷く、これも使い物になりません。

後ろバンパーも形状がもの凄く湾曲しているので当初パーツを改造し始めましたが、断念。

ウインドウは枠に合わないのでキットパーツ使用は断念し、一部のエンジン関係パーツもオミット。 上の写真中、左上の茶色いV字型のものは、ボディー後部高さを詰めた時の切取り部分です。 その他、ロゴマークやインパネメーター等はMDプリンターのフラッシュシルバーでデカールを作成しておきました。

 

(8)この後腰上モールにプラ帯板を接着し、その他色々手を入れて、サフを吹きツートーン塗装に入りました。

このクルマにはどんな色が合うかどうか色々検討し、結局白系と赤系のツートーンにしました。

一色目の白系色はクレオスのグランプリホワイト。

二色目の赤系色は旧モデラーズのメタリックレッド缶スプレーをエアーブラシで吹き、その後ガイヤノーツのクリアレッドを吹き重ね、渋めのメタリックレッドとしました。

 

(9)残していた各部品のうち、後ろバンパーは100円ショップで見つけたアルミ平線を使い自作。ステーはキット部品を騙し騙し曲げて何とか合わせました。

フレキシブルの排気管は3mm位の太さのスプリングホースの中にアルミ針金を入れて曲げ、その形状を保持出来るようにしました。
油分を良く落としてからメッキシルバーで塗装。

ウインドウの枠形状も修正し、中央部下は嘴のように延長整形しました。
(もっと伸ばせば良かったと悔やんでいます)

ワイパーはプラ材から自作。

ボンネット中央の連続ヒンジはアルミパイプを使い、転がしながらカッターで傷を入れて連続ヒンジらしい感じにしました。

 

(10)左右ステップ部の沓摺板は平面性を出すため鏡面アルミ薄板が欲しく、当初アサヒスーパードライビール缶を予定しましたが、よく見ると細かいストライプが入っているのでダメ。

コンビニで探し出したのがレッドブルスポーツ飲料缶。 これを丁寧に切り取ってステップに貼りました。

(11)静岡出発直前に一枚だけ撮影したもので、オースティンヒーレーと並んで出来立てホヤホヤです。

4輪タイヤのアライメントは気を使い、前輪は若干のポジティブキャンバーを付け、後輪は垂直度に注意しました。

作品No.503 2017年5月4日完成

(12)静岡展示会ではターンテーブルに乗せて展示させて頂きました。
(13)出発前には腰を据えての撮影が出来なかったので、今回改めて撮影用ブースの中で撮影してみました。
完成写真はこちらです。

PYRO製  オーバーン 851 スピードスターの制作

 工作机INDEXへ