2台のサンダーバード

 下宿人の部屋へ 

 工作机INDEXへ 
USレベル製 1/24 1987 FORD Thunderbird Turbo Coupe

USレベル製 1/24 Bob Glidden's Motorcraft Thunderbird

2017年7月2日の柏崎模型展示会でお披露目させて頂いた2台のフォード・サンダーバードを ご紹介させて頂きます。

1.はじめに

今回の2台のサンダーバードは昨年末頃から作っていたもので、今年の干支・酉年にかけて「鳥」の名前を付く車種を選んでほぼ同時進行で作っていました。

(本来の「酉」は鶏の事でしょうが、車では鶏関係の車種を知らないため、敢えて「鳥」関係にしました)

今年5月の静岡合同展示会でのお題が「ツートンカラー」と言う事もあり、何とか間に合わせようと頑張っていましたが、残念ながら息切れして叶わず、7月の柏崎にずれ込みました。

2.フォード・サンダーバード 実車のこと

a.フォード・サンダーバードはアメリカを代表する車型の一つと言っても過言ではなく、1955年に初めて登場して以来、2005年まで数々のモデルチェンジを繰り返し、50年間・第11世代の長期に亘って愛され続けたクルマです。

1983年には第9世代として、それまでの角ばったスタイルから、流れるようなスタイリングに大きくモデルチェンジをして登場。俗称「エアロ・バード」とも呼ばれたようです。

‘87年にはターボエンジンを搭載した「ターボ・クーペ」が登場しました。  

b.ご存じのようにアメリカのモータースポーツの中のジャンルで「ドラッグレーシング」があります。400mの直線コースを2台並んでスタートして加速力を争う競技です。

このドラッグレーシングはNHRA(National Hot Rod Association)が統括し、クラスやレギュレーションが事細かに決められ、数々のスター選手を生んできました。 「Bob Glidden」は1944年生まれのスター選手で、何度も優勝を重ね、1987年にもチャンピオンの座を獲得しました。 その時のチャンピオンマシンが「Motorcraft Thunderbird」で、白と赤のツートンカラーで「Pro Stock」のクラス1で戦っていました。

(実車の詳しい事はネットで検索してみてください。)

 

3.キットのこと

a.今回の2台はどちらもアメリカ・レベル製でスケールは1/24サイズです。

b.ターボ・クーペの方はキットが2006年に発売されたようです。

c.ボブ・グリデン モータークラフト車の方は箱絵に依ると、1988年頃の発売のようです。

d.同じクーペ型ボディーの2台ですが、作りは全く異なっており、ターボ・クーペの方は一般的なアメプラキットの構成で、ボディー・エンジン・シャシー・内装パーツが細かく再現されています。

一方モータークラフト車の方はガッチリとロールケージに囲まれたシャシーにパカッとボディーを被せる方式で、それぞれが上手く表現されています。

後輪タイヤは極太のドラックレーシング用タイヤになっており、前輪タイヤはまるで軽自動車並みの幅の狭さです。

(単に400m直線を走るだけのものなので、これで充分の幅なのでしょうね!)

今回も製作途中の写真は撮らずに工作を進めました。

4.完成模型説明

(A)レベル製 1/24 1987 FORD Thunderbird Turbo Coupe(作品No.505)   殆どキット素組です。

a.ボディーカラーは以前発売されていた旧グンゼ・オートカラー A20・ダークレッドパール。 細い缶スプレーの中身を出して、エアーブラシで吹き付けました。一寸暗すぎたような感じ。

(当時はクルマ専用の微妙な色合いの缶スプレーが出ていましたが、最近は見かけませんね)

仕上げはガイヤノーツのEXクリアー塗装後、研ぎ出し。

b.ウインドーパーツはブルーペンガラス表現のため、昔のグンゼ・スモークブルーを主体にクリアグリーン等を混色したものを吹き付け。

c.ホイールはメッキを剥がし、シルバー塗装後中心部をメッキシルバー・ネクストで塗装。

d.ボディー周囲の赤い帯はハセガワの赤色フィニッシュ(TF12)の細切りを貼りました。

e.フロントのナンバー取付け台はプラ板で自作。

(B)レベル製 1/24 Bob Glidden‘s Motorcraft Thunderbird(作品No.506)
a.ボディーはほぼキットのままですが、フロントホイールアーチの後部リップ部の内側への巻き込みをプラ板にて延長しました。
b.ボディー塗装はサフ仕上げ後、マスキングにて白・赤を塗り分けました。 白はフィニッシャーズのファウンデーションホワイト。 赤はクレオス No.3 レッド。

c.デカールはキットのものを使いましたが、あまり質が良くなく、デカール軟化剤を塗布しても馴染みが悪く、また透明部が白濁したりしてかなり難儀しました。

d.ボディーのあちこちにあるズースファスナーはクリアー塗装前にシルバーで塗っておきました。

e.仕上げクリアーはデカールの事を考えて、オートモデリ・ウレタンクリアー・GP−1を使用。 久し振りのウレタンクリアー塗装はウレタン用シンナーの混合割合が少なめで、一部ユズ肌になってしまいました。 そのため硬化後の研ぎ出し・コンパウンド磨きが大仕事でした。
f.ボンネット裏側とボディーインナーフェンダー部にネオジムマグネットを4ヶ所仕込み、簡単に脱着できるようにしました。

g.キットのウインドーパーツ類は実車同様、外嵌め式になっています。 パーツには固定用リベットがモールドされています。実車ではリベット頭の銀色が目立ちますが、綺麗に上手く銀差しも出来ないためそのままです。

h.シャシー側は殆どキット素組です。 ロールケージ部は強度確保のため、流し込み接着剤と瞬着を併用しました。

i.エンジンのプラグコードを追加しました。

j.キットでは助手席シートが付いています。 実車でも付いているのかどうかアヤフヤですが、キット通りに取付けました。 但し、シートベルトは運転席のみとしてあります。 旧モデラーズ製のアメリカンタイプのバックルを使用。

k.ドラッグレーサー独特のシフトレバーは細いリンクロッドと繋がりますが、接着時うっかり折ってしまいました。
l.ダッシュボード上のタコメーターは奥行を伸ばしました。

m.ロールケージ先端には各種スイッチ、或いはインジケーターランプのボックスらしいのものがモールドされています。今回は彩りを考え、インジケータランプとして赤・橙・青を筆差し塗装。

n.またその隣にはドラッグシュート操作レバーがモールドされています。 レバーを銀色に塗り、ケーブルを赤コードで表現しました。配索ルート・位置は不正確です。

o.後部トランクルーム内にはバッテリーが左右に取り付きます。 完成後には見えなくなりますが、パーツの抜き勾配が気になり、ヤスリでキチンと直角に整形しました。

また、固定用押さえ金具も自作してみました。 中央の赤いケーブルはドラッグシュート用のケーブルです。

p.シャシー下面、エンジンオイルパン下面とリヤーデフ下面に展示台固定用として2mmタップを切っておきました。 ミッションケースはドラッグレース用の独特の形状をしています。

q.前後タイヤはかなりのパーティングラインや大きな凹みがあります。鉄ヤスリでゴシゴシと削り、凹み部はフェンダーで隠れるため、上向きになるようにしてアクスルに接着しました。

タイヤ側面のロゴは白エナメルを筆差し。

r.完成後、ダイソーのアーチ型コレクションボックス・ワイドに入れて下からビスにて固定しました。

2台のサンダーバード

 下宿人の部屋へ 

 工作机INDEXへ