PM2:30過ぎ、兄よりTELあり。花見にでも出かけているのかと思ったら、昨日と今日、義姉の実家の手伝いで、種米のすじ撒き(もみ撒き)に行っていたんだそうな。
父から受話器を受け取ると、兄、
「ああ、いたな」
いつもと変わらぬ調子であいさつの後、
「原稿の件だけど、半分、アップした。中に個人的な日記みたいのがあったから、それははずした」
電話で正式な報告を受ける。
「ああ、それはメグさんの家で見せてもらったからわかった。私なりに勉強になったから」
納得ずくで答えると、兄、事情がわかっていたらしく、
「そういえば、メグさんからも時々メールが届いてるな」
明るい調子で話してくれる。
「いや、実はね、今日の午前中、会ったんだ。キリ番のことや、メグさんの家でのホームページ見学のことを書いたもんで、間違いがないか、一通り原稿に目を通してもらってね。お兄ちやんが載せるどうかは別にして、一応、載せても大丈夫なようにチェックしてもらったから。
あと、ルナちやんの写真を載せる件、断ったんでしょ?」
「ああ、それはオレなりのボリシーがあるから。
時々あるんだ。模型のホームページでも、家族の日常のこととか、愛犬のことを載せたりとか……。そういう本来の目的からはずれるというのは、俺としては好みじゃないから。
オレのホームページは、模型のこと、戦争に関すること、を中心にするけれど、それ以外にこんなに模型にこだわっている俺がどういうものの考え方をするか、それを『こだわり道場』で表現しようと思っているから」
なるほど、これで納得。改めて、兄のホームベージに対するこだわりの深さがよくわかりましたゼ。
「あのさ、メグさんに 『お兄さんのメールが面白かったから、妹さんの日記に載せたら面白いと思うけど』っていわれたけど、どうかな?」
「ああ、
『体の模様が戦車そっくり』
とか、
『犬なのに模型が作れる』
とかいったあれだな。
あ、それは構わないよ。
『犬の写真を載せようと思ったけど、断られた』
ということを通して、俺のホームページに関する考え方がわかるし、横目日記に載せるにはその方が面白いから。遠慮せずに書けよ」
「でも、ルナちやんのことは、メグさんがルナちやんを連れて家に来るから、そのことについては書くよ」
「ああ、それはいいよ」
という訳で、ルナちやんの写真掲載騒動、これにて一件落着。