一日だけの世界一?(後編)
 三日目・・決勝は実力どおりこんなもの
午前中の最終予選でもトップタイム
午前はコースの路面温度が低く、タイムアップは望めそうもありません。選手の一人が「非接触式赤外線温度計」で路面温度を測っています。 「12℃じゃダメだね。昨日の午後は16℃と18℃だったが、2度℃でもグリップに差があった。今日は誰もタイムを縮められないな。」 と話しています。

最終予選を走った見たところ、やはり食い付きが今ひとつで、私のラップも昨日の1秒落ち。それでもこのヒートでもやはりトップです。誰もタイムを縮められず、私のポールポジションは決定です。 

TAMIYAの人がやってきました。

 「佐藤さん、お願いがあります。昨日の約束では予選ポールにはボブ選手の車もプレゼントということでしたが、今日はグリップが悪くて、誰もタイムが縮まりません。申し訳ないのですが、車は優勝者にということにしてくれませんか。よろしいでしょうか? ……ありがとうございます。ではぜひ優勝してください。」……おいおい。 おーい。

何はともあれ、ポールに並ぶというのは気持ちのいもので、GT新潟代表、小池雄太君からは「コクピット」のシールを貼ってくれとの依頼。内藤博君、加藤純一君にも「チーム新潟」を屋根に書いてくれとせがまれました。私も所属する三条市クリヤマ模型の「SRD」をマジックで書き加えて、変な落書きボディーで決勝に望みます。

※コクピット・・・長岡の模型屋、新潟大会ではライバルチームとなる。猛者が集うところ。
 小池君・・・今はラジコンマガジンの「コイケ」です。
 内藤君 ・・・2日目から合流、彼は2000年も含め過去何度か代表権獲得。
 加藤君 ・・・過去何度か代表権獲得。
 チーム新潟・・・これも敵のチームだけど。

 

決勝1ヒート 
決勝は3ヒートのチャンスがあります。そのうち2回の結果で決まりますので、正直何とかなると思ってスタートにつきました。スタートと同時に後輪駆動勢が前に出ます。よく考えれば私はFFで、しかもグリップを落としたタイヤですからスタートが遅いのは当たり前で、あわてません。

ところが第一コーナーで接触があり、走りがおかしくなりました。2,3週はごまかして走りましたが、何か変。加藤君の 「会長!ボディーが引っかかってる!」 の指示で緊急ピットイン。接触の影響でボディーがへこみ、タイヤをこすっていたのです。

直してもらい再スタート、しかし13位/20名に終わりました。 普通なら凹んでいるボディーは見ればわかるのですが、コースが大きすぎて自分の車は豆粒にしか見えないので、発見できなかったのです。 

決勝第2ヒート
第2ヒートは良く覚えていません。なんだか良く走らなかったという記憶だけです。ここでは9位に終わり、あとがなくなりました。
決勝第3ヒート 
スタートは出遅れましたが、とりあえず3位をキープ、追いあげをねらいましたが、なぜかペースが上がらず、前二台にはなかなか追いつく様子がありません。

走りながら、

  •  タイヤの痛みか? 
  •  サスペンションを少々いじったためか? 
  •  支給モーターを全くメンテしていないため遅いのか? 
  •  やっぱり2年前のバッテリーはパンチがないか?
  •  寝不足か?

などと考えるうち、もう一台が迫ってきました。やや走行が不安定のため接触してはいけないと思い、無理にバトルはせずおとなしく先に行かせます。 そうこうしているうちに最終ラップになり、1位、2位とゴールして行きます。このヒートで2位に入った上原さんは第1ヒートで1位になっていることから、この瞬間にワールドチャンピオンが決定。

上原さんとは偶然ピットデスクが向かい合っており、練習中から楽しくやり合っていましたので、知らない人が優勝するよりも祝福の気持ちが強いかな。私の方は気が付いたらトーマス選手(ヨーロッパチャンプ)にゴール手前で抜かれて、5位に転落してしまいました……。

 総合ポイントでは9位、でもこの時に抜かれなくても8位でしたから、結果としてはこんなものです。 あまり残念とも思いませんでした。予選が出来すぎで、すでに十分収穫があったと満足していたのかもしれません。また、寝不足の疲れと自宅破損事件の影響で、気力が萎えていたのも敗因の一つかも・・。

(右の記事は、(株)竢o版社 RC・WORLD1999/1月号より。・・・こう書いていただき、感激です。)

大会は3時半頃全て終了し、TAMIYAのスタッフなどに挨拶して帰途につきました。家に着いたのは月曜の午前2時半頃。家の破損個所を点検し(うわー)、さっさと寝ました。 

朝から仕事だし。

まとめ・・とにかく楽しかった
全国のタミヤグランプリ地方大会に出ている皆さん。何とか勝ち抜いて一度は本選に行きましょう。地方のハンデは全くありません。車もきちんと作っていけば大丈夫。きっと何か得るものがあるはずですよ。