2001.06.03
AM8:15ごろ、玄関のチャイムがなる。
『ああ、馴染みの野菜屋さんかな……(農家の方。わが家では“野菜屋さん”と呼んでいます)』
なんて思いながら居間で雑用をしていると、応対に出た父の
「いらっしやい。ええと、なにちやんだったかな?あ、ルナちやんだったか」
明るい声が。
それから間もなく、居間へ戻ってきた父、メグさんとルナちやんが来たことを告げた上、
「庭のグリンピース、持っていってもらえ(栽培責任者は父。毎年作っております)」
おいしい提案をしてくれる。
早速はさみを持ち、玄関ヘ。いつものあいさつの後、
「庭のグリンピース、持っていかない?」
はさみを見せつつ、さりげなく誘うと、メグさん、予想していなかった申し出にビックリしたらしい。
「ええ!グリンピースですか?」
すっとんきょう気味の声で答えたものの、ニコニコ顔で即、快諾。早速ルナちやんを連れ、庭ヘ(とはいうものの、ルナちやん、散歩に行くと勘違い。家の前の道に出ようとして、メグさんに連れ戻されてしまった)。ルナちやんを引いている綱を勝手口ドアのストッバーに繰りつけたメグさんに食べ頃の房の見分け方を伝授の後、グリンビースの収穫開始。
父に言わせると、
「今年はちょっと出来が悪い」
少々不満げななりかたとはいうものの、時期を迎えたグリンピースの房は鈴なり。味も昨年同様、噛むとほんのりとした甘さが残る。そんな食べ頃のグリンピースを収穫するかたわら、メグさんに兄のホームページに関する話を聞くと、
「お兄さんのホームページ、模型に関してベテランの人が多いから、バカなことを書き込んでいると思われているかもしれませんね」
「いや、それはないと思う。だれだって最初はシロウトだったんだし。それに、シロウト故の鋭い指摘があるかもしれないから、それはそれで面白いかもしれないよ」
なぐさめ半分で答えると、
「そういえば、前に、お兄さんから、『わからないことがあったら、遠慮なくどうぞ。体は中年だけど、心は少年の皆さんが答えてくれます』なんて、書き込みもありましたっけ。」
納得した様子で話してくれる。
とはいうものの、メグさん、兄の工作机で作られるボルシェの模型がいたく気にいったらしい。
「ああ、ポルシェの模型、欲しいなあ。
『サルでもできるポルシェの模型』
って、ないですかね?」
ややや、これはオドロキ!メグさんからそんな言葉を聞くとは思わなかった妹、一瞬、思考停止。
が、すぐに立ち直り、
「サルでもできるポルシェの模型はわからないけど、ミニカーならあるんじやないかな。ま、作る喜ぴはないけど、最初はできたものを眺めてみる、ということから入ってみたらどうだろう……」
少々当てずっぼうともいえる話をすると、メグさん
「ミニカーか。なるほど……。でも、まずはガチャポンでチョロQかなあ?」
まんざらでもない様子でつぶやく。
2001.06.08
夕食の片づけが終わり、居間で雑用をしていたPM7:45ごろ、兄よりTELあり。まず、最初に出た父と、昨日から行われている凧合戦見物について打ち合わせ。その後、
「用事があるらしいぞ」
という父の言葉にうながされ、受話器を受け取る。
兄、あいさつのあと
「掲示板で話しているせいか、“ひさしぶり”って感じがしないな」
妹も共感できる感想をぽつり。
その後、
「横目日記、新しいの、いる?」
ちょうどいい機会だから聞いてみよう、軽い気持ちでたずねた妹。ところが兄の返答は、予想をくつがえすものだった。
「ああ、そのことなんだけど・・・。今までの日記、最初から読んでみたんだけど、長いな」
「ほう……」
「横目日記、個々の部分で読む分にはちょうどいいんだ。でも、最初から読むとなると、ちょっとキツイものがあるな」
「あ、なるほど……」
「まあ、メグさんの家に行って、[侍魂]のホームページに見学に行ったことは書いてもいいんだけど、それは自分たちで盛り上がっているだけだろ?関係ない人が見ると、ちょっと引くことになるんだ」
「そうか。確かにそれは(兄のホームページには)関係のない話だからね」
「ま、一方で、それが『面白い』って、読んでる人もいるけど。その兼ね合いっていうのかな、それが難しいところではあるんだ。だから第三者的に見て、書かなくていい部分が出てくるかもしれないな」
毎回、A4版で2〜30枚分になる横目日記。確かに、
「長くても大丈夫」
という兄の言葉に甘え、兄のホームページ以外のさまざまなホームページのことまで詳しく書き過ぎてしまったきらいがある。
が、兄のホームページのベースとなるのはあくまでも模型。[待魂]がいくら人気があるホームページといえども、内容は模型とほとんど関係がないものばかり。おまけに見学して盛り上がっているのは妹とメグさんだけ。不特定多数の人が見るホームページで、自己満足、内輪うけのネタを読まされるのはたまったもんじやない。
『1回見れば、もう結構』
のホームページではなく(そういえば、以前、兄から「こういうホームページは見ても面白くないだろ?」と言われて見たホームページがそうでした)、
『何度来ても楽しめる』
模型界の東京ディズニーランド的ホームページを目指している兄のポリシーにも反する訳ですな。
なんてことを話しているうち、あらら、また、10分近くしやべってしまった。
「まだしやべっているのか?」
父の呆れた声をきっかけに、おしやべり終了。受話器を父に返す。
2001.06.09
夕食を終え、母から頼まれた買い物をするため、外出。近くのスーパーに向かっていたところ、凧合戦の見学を終え、兄の車に乗ってわが家に向かっていた父を発見。即座に回れ右。車を追いかけるように、わが家へ逆戻り。
兄、家に着くと、早速、居間にて、隅に置いてあった横目日記の原稿を、いつになく真剣な顔で黙読(ではあったが、時々、顔がゆるんでた。)。そして最後のぺ一ジを読み終えるやいなや
「『タミヤニュースの世界』持っているぞ。この本、図書館に頼めるって本当か?」
これは意外、といった表情で聞いてくる。
「購人リクエスト用紙に書いて出すと、図書館の方で審査して、太丈夫だと入れてくれるよ。
それに、今日、図書館に行って状況を聞いてみたら、しっかり『発注中』になってた(これは妹が利用している図書館の場合。他はどうかわかりませぬ)」
兄、その言葉を聞き、
「そんなことができるのか?」
驚いたのか、目が点(・_・)状態。が、すぐに気をとり直し、
「こんなマニアックな本、読むやつ、いるのかな?」
なおも聞いてきたので
「(5月27日分の)横目日記に書いた本もボロボロだったし、以前借りた文春文庫版の『田宮模型の世界』もボロボロだった。好きな人、いるんじやないかな」
確信に満ちた返答をする。
兄、妹の体験を元にした話に
「ふーん、いるんだ、そんな人……」
先程よりトーンダウン。
なんて話をした後のPM7:25過ぎ、兄、ひさしぶりに義姉や孫たちと夕食を囲み、いつもより赤ら顔になった父、
「今日はありがとね」
お礼を言った母、横目日記の原稿・庭で取れたグリンピース(市販のいちごケース1つ分)・甥っ子用の乳酸菌飲料が入った紙バックを渡した妹らに見送られ、帰宅となる。
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