理想のポルシェを求めて・・(前編)

  カーモデルの最高峰キットと言える、タミヤの「1/12ポルシェ934RSR」

国産プラモの歴史は45年近くになります。ではこれまでに発売されたプラモの中で最高傑作は何でしょう。

もちろん評価の基準は人によって様々、現在の技術で作られた恐ろしく出来の良いキットを評価する人もいれば、プラモが今よりもっと「みんなの遊び」だった頃のエポックメイキング的なキットを挙げる人もいます。 

しかし、少なくとも「古今東西、最高傑作プラモ判定大会 ジャンル別金賞」 をいただくには、実物が有名でないといけない!・・それが私の持論です。

その基準に従えば、 飛行機なら零戦、船なら大和、戦車ならタイガーからキットをノミネートすべきであり、自動車なら何と言ってもポルシェであります。 

ポルシェのプラモは星の数ほどありますが、今回完成した田宮の「1/12ポルシェ934RSR」は、おそらく誰もが納得する最高のキットではないで しょうか。 

・田宮では研究のためにわざわざ実車(911の新車)を購入して、バラバラにしてしまった。組み立てられなくなって泣いた。
・だがプラモはあまり売れず、起死回生で作った電動ラジコンカーが、第一次RCカーブームの引き金になった。 

など、エピソードや歴史的な価値も十分です。

  二台が揃って一つの区切りがつきました

 私にとっても思い出は多く、25年前にポルシェ935に改造して完成させたり、初めて買ったラジコンがこれであったり、ブームのあおりで何台も 組立バイトをしたり・・・と。

だが、私には一つだけ、気に入らない点がありました。 

「よりによって、なぜ934なんだ?」 

そう、実車の934はわずか50台(一説には30台)しか生産されず、そのほとんどがプライベートでレースに出たり、海外に引き取られたりで、実際の活躍シーンはさほど印象にはない車なのです(もちろんグループ4では無敵でしたが)。 キットも「鹿のマーク」、あるいは「ウサギのマーク」のプライベートチームのものであったりと、今ひとつピンと来ません。 

そこでグループ5となるワークスカラーの「ポルシェ935前期型」を作り、あのMARTINIカラーのストライプなどを手書きしたものでした(その後田宮からも後期型が出ましたね)。 

だが、まだ何かが足りない。まだ市販車タイプを手にしていないのであります。

後編に続く→