ここまで楽しんだパンサー

ベストワンと言える理由 

パンサーが私の「ベスト1プラモ」だという理由、それはキットの出来の良さだけではなく、このプラモがとことん遊んだ、思い出のいっぱい詰まった模型だからです。

第T段階・・箱絵の迷彩塗装で戦車バトル(67年10月撮影)

パンサーは友人のK君と同時に買いました。彼はリモコン戦車バトルを考え、砲身が長く、左右にぶれないロンメルを選択! だが、キャタピラは切れる、部品は壊れるで1/25バトルは2.3回で中止、1/35バトルに戻りました。

なお最初の塗装は、リモコンパンサーの箱絵を参考にしました。自分で調色して筆で塗っています。

次に実物風に写真を撮ることを始めました! ラッカーシンナーにランナーを入れて溶かし、これに火をつけて雰囲気を出とします。右の写真の題名は「敵を仕留めたパンサー」・・・。敵はいないんですけど、砲身はそっちを向いています。

ただ、この写真は迫力がなく「お気に入り」ではありません。煙も出ていないし・・。 そこでもっと感じを出そうと、重油か何かを調達し、大量にばらまいて火をつけたことがあります。しかし母親がすごい形相で家から飛び出してきて、撮影会は中止となってしまいました(あたりまえだな、これは)。 

ちなみに、こういう撮影は「ジオラマ」などとは呼ばず、「特撮」と言っていました。

第U段階・・砂漠色を自分で調色(68年3月撮影)

TAMIYAニュース、あるいは何かの雑誌で見た、砂漠色に塗られたパンサーは魅力的でした。パンサーは全面的に塗り直されました。

キャタピラはまだキットのままですね(汗)。

 

第V段階・・初めての吹きつけ塗装に挑戦(69年3月撮影)

TAMIYAから缶スプレーなるものが発売されました。それまで私は吹きつけなどやったことがありませんでしたが、勇気を出して「サンドイエロー」を購入。 初めてスプレーするときのわくわく感は今でも覚えています。だができた色はあまりにも白く、「これが本当に戦車の色なのか?」とビックリしました。

写真はその時のもの。光がまともに当たっていることもありますが、まるでおもちゃです。

それでも逆光などで撮るとかなり本物っぽいです(右下)。あ、キャタピラがきれいに垂れていない。気になるんですよねー、ここが。

ちなみにこの写真、誰だったか(大人の人)に見せたところ、「おや、いつ戦車が新潟に来たの?」と言われました。モデラーにとって、これ以上のほめ言葉はありません。 ・・・ね? 

 

第W段階・思いっきり汚したぞ(70年冬撮影)

そしてこれがパンサーの最終形態。汚しを入れました。また、弾痕なども表現していますね。中学生の作品なので、へたくそなところは許してください。

ここまでパンサーを楽しめた理由、それはこのキットが私にとっては非常に高額で、次の模型がなかなか買えなかったこともありますが、スプレー塗装、汚しなど新たなテクニックに次々出会っていたこともあるでしょう。

だから、なんと言っても私のベスト1はパンサー!!
田宮社長が背中に小石の痛さを感じながら取材したパンサーを、私はここまで楽しみました。今更言うのも何ですが、社長様、こんなにすばらしいプラモを作っていただき、本当に、本当にありがとうございます。