13.背景シートを活用する

作品が完成し、その画像をブログやSNSでアップする際、どんな撮り方をすれば魅力が伝わるか。

基本はこんな感じでしょうか。バックを白や薄いグレーにすれば細かいところにも光が回り、作品のディテールも伝えられます。私もいつもはこれ。

背景を濃いグレーや黒にして雰囲気を変えることもできます。

(バックに色味をつけると、特にカーモデルの場合はその色が写り込むので、私は好みませんが)

ジオラマ仕立てにする方法もあります。単品で撮るよりも世界観が伝わって魅力度もアップします。

ただし車単体に意識が向かなくなる恐れもありますね。

外に飛び出して実際の風景をバックにする方法も効果的です。

自然光で撮ると、模型も本物っぽく見えます。

「撮影にぴったりの場所をどうやって見つけるか」、「周囲の目が気にならないか」、「急な突風で大惨事にならないか」など課題もありますが、時々やりたくなります。


その他のやり方として「背景シートを使う」があります。コツさえ覚えれば手軽に魅力的な写真が撮れるので、今回私も色々トライしてみました。
使用したのは「箱庭技研」さんの「ジオラマシート 」。

直営店の他、アマゾンや楽天などでも購入できます。

この中で一番高級なのが草原と青空のもの。「無反射ジオラマシートPRO」シリーズの一つで、光を反射しない特殊な加工がなされています。

逆光で眺めると良くわかります。

ただしサイトを見ると「原料メディアの製造終了に伴いまして、在庫限りで販売を終了」とのことです。

田舎の風景は二枚に分かれています。
こんな風にセットするので使い勝手は良いのですが・・・、
角が直角になってしまうので水平面と垂直面で光の当たり方が変わり・・・、
境目がバレバレになってしまいます。
二枚を繋いでラウンドさせてセットすれば繋ぎ目はわからなくなります。

実際の撮影スタジオでも壁と床の境界はラウンド仕上げになっています。いわゆるホリゾント壁ですね。

ただし問題はどうしても光を反射する部分(ハイライト)が見えてしまうこと。

先ほど紹介した「無反射ジオラマシートPRO」シリーズは、その問題を解決したものなんですが、ではそれ以外のシートではどうしたらよいのか・・・。

ライティングを工夫しても良いのですが、今回は「艶消しクリアー」をたっぷり吹き付けると言う乱暴な方法を試してみました。

(一回で缶スプレーの半分くらい使ってしまうので、良い子は外で作業するようにね)

こうなりました。とても自然です。

では色々撮影していきます。

これはまだ艶消しクリアーを吹いていない段階で撮ったもの。

床が光って不自然です。

また背景と車のアングルが一致していないので浮いた感じになっている。

そのあたりの問題を解決したのがこちら。

また撮影は屋外、写り込みが室内とはずいぶん異なります。

こちらも外で撮影。

「無反射ジオラマシートPRO」のおかげで安心してシャッターを押せます。

背景の絵面(えづら)がシンプルなので車自体のディテールにも気が回ります。

車にさびや汚れがあったり、タイヤに泥がついていたらもっとリアルに見えるでしょう。

また背景写真では太陽は右側にありますが、模型にあたる光は左側が強い。

このあたりをちゃんと調整するとさらに良くなるはず。

今回購入した「ジオラマシート」を使っての撮影は以上です。

 

一方こちらは同じく「箱庭技研」さんの「ジオラマカレンダー」。ネットで買えます。

12種類の背景が選べてとてもお得。

二つ折りで真ん中が綴じられています。そのため角が直角になり 、撮影するとその部分がバレてしまう。

そこでカレンダーをバラバラにして繋ぎ、角が丸まるようにして撮影しました。

「艶消しクリアー」も吹きました。

その成果は次の通りです。

寂れたガソリンスタンドとピカピカのコルベットがマッチしていない。

コルベットをもっとくたびれた感じに仕上げたら、より自然に見えるでしょう。

このような背景には淡い色のフランス車、あるいはイタ車が似合うのかもしれません。
この背景だけはマット仕上げにせず、床の写り込みを活かしてみました。

ちょっと雨上がりっぽく見えるかもしれません。

以上です。

ジオラマシートを使った撮影は手軽に世界観を作り出せます。作品が完成して写真を撮る時に何枚か混ぜることで面白さを演出できるでしょう。

繰り返しになりますが、今回私が気をつけたり工夫したポイントは以下の通りです。

・二枚組み合わせて角が直角になるタイプでは、繋げて角をラウンドさせるようにした。その方が繋ぎ目がわからなくなる
・反射を抑えるために「艶消しクリアー」を吹いている
・背景写真が撮られた時の天候や太陽の方向を把握し、模型にあてる照明の角度や強さをコントロールすると自然な写真になる
・模型と背景を馴染ませるためにはカメラアングルが非常に重要。そこをミスると一気におもちゃっぽくなる
・外で撮影すると写り込みがそれっぽくなる場合もある